日本地理学会発表要旨集
2016年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P068
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要旨
手描き地図にみるマルチスケールの空間認識
- 高校生が描く世界地図と通学路の事例から -
*栗山 絵理
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抄録

2007年度から地理Aおよび地理Bの授業にて、世界地図および通学路の地図を手描きする作業を通じ、生徒の地図理解を深めてきた。こうして蓄積された1,000を超える手描き地図の事例を、縦断的(同一人物による地図を経年的に比較する)・横断的(多数の人物による地図を比較して共通や差異を検討する)に分析し、現場での教育実践に活かすとともに、空間認知研究としても一考したいと考えた。今回、世界地図と通学路の地図の間となるスケールについて追加調査を実施した。これにより、同一人物の複数の異なるスケールの地図を比較して、世界地図という広く大きな範囲を示した手描き地図と通学路の地図という身近で狭い範囲を示した手描き地図の関係性を分析する試みを行った。さらにその前段階として、地図を手描きする作業の背景となることを尋ねた質問紙を回収し、地図を描く(空間認識をアウトプットする)際の傾向を把握する手がかりとした。ポスター発表では、特徴的な手描き地図を例示して説明する。

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© 2016 公益社団法人 日本地理学会
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