抄録
二次元の地図上に三次元の地形をわかりやすく表現するため古くから様々な手法が用いられてきた.その代表として地表の同じ高さのところを結んだ等高線による表現手法がある.しかし,等高線から斜面の緩急や地表の凸凹を読み取り視覚的に地形を捉えることは,大人でも容易なことではでなかった.
一方で,陰影段彩図など数値標高モデル(以下「DEM」という.)を利用して,直感的に地形を理解できる表現方法が提案されている.国土地理院は,これらの表現手法である 「アナグリフ」 「傾斜量図」 「陰影起伏図」 などDEMを利用した全国を対象とした主題図を地理院地図から平成29年3月に公開した.
本発表では,傾斜量を区分することで防災(雪崩関連)に資する地理空間情報について報告すると共に,様々な主題図を地形のよくわかる地図と合成することで地域の理解を深めるために活用する事例を報告する.