主催: 公益社団法人 日本地理学会
近年,雨の降り方が局地化・集中化・激甚化することで毎年のように全国で浸水被害が発生している.平成27年に水防法が一部改正され,想定し得る最大規模の洪水等に対する避難体制等の充実・強化のため,国土交通省および都道府県において河川ごとに想定最大規模の降雨による浸水想定区域図の作成が必要になった.浸水の危険性を国民が把握でき避難行動につなげるためには,氾濫水がどのように押し寄せてくるか理解できることが重要である. 国土地理院と国土交通省水管理・国土保全局が提供する地点別浸水シミュレーション検索システムでは,河川の堤防が決壊した時,どこが・いつまで・どのくらいの深さまで浸水するかをアニメーションやグラフで確認可能であり,想定される浸水の危険性を効果的に伝えることができる. 本報告では,平成28年度に改良した浸水ナビの機能を中心に,どのように想定し得る最大規模の浸水想定の危険性を伝えることができるか紹介する.