主催: 公益社団法人 日本地理学会
JAMSTEC(海洋研究開発機構)では「黒潮親潮ウオッチ」において毎週水曜日に黒潮流路予測を更新しネットに公開していて大変興味深い.過去の最大蛇行には、紀伊半島沖から鳥島までの蛇行みられる.ここでは沿岸地域との交流以外に、鳥島との交流(漂流)に視点を当てて考察したい.
髙橋(2016)によれば江戸時代を通して数十年おきに、鳥島に漂流民が漂着した.日本列島沿岸部の交流に黒潮が果たした役割だけでなく、鳥島のような「孤島」との関係でも黒潮の役割を忘れてはいけない.
本発表では「①黒潮の蛇行」と「②鳥島漂流」さらに「③捕鯨船」に助けられたという偶然に注目し、黒潮と捕鯨文化そしてジョン万次郎の世界地図の意義まで拡大して考察を進めたい。これらは全て沿岸流「黒潮の存在」が結びつけた結果である.