主催: 公益社団法人 日本地理学会
チェラプンジは多雨で知られる地点であり, 一ヶ 月以上の時間スケールにおいて降水量の世界記録 をもつ。チェラプンンジは ベンガル湾から流入する空気が最初に出会う標高 約2千メートルのメガラヤ高原の南斜面に位置している。チェラプンジに住む人々にとっては多量 の雨になっても地滑りは稀であり災害になること は少ない一方で, チェラプンジに降る雨はただち に山を下り国境を越えて隣接する平野部のバング ラデシュに流れ, そこでてっぽう水や洪水をもたら す。実際チェラプンジの大雨年とバングラデシュ の大洪水年はかなり良い一致がある。チェラプンジの降水変動は顕著な季節 内変動をもち, その降水活発期と, 隣接するバン グラデシュ北東部にある河川の水位の上昇時期は よく対応している。そこで 本研究ではチェラプンジの降水活発期に焦点を当 てて長期データ解析を行う。