メソドロジー研究部会報告論集
Online ISSN : 2759-5684
より望ましい質的研究のための一提案―交絡(Confounding)の側面から厚い記述を考える―
三上 仁志
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2015 年 6 巻 p. 16-30

詳細
抄録
本稿は,質的研究におけるデータの取集と報告に関するものである。質的研究において(1)研究内で報告されたデータが他の研究のそれと比較できること,つまり比較可能性(Comparability)が高いこと,そして(2)データの分析結果や結論の適用可能範囲が検証できること,つまりトランスファラビリティ(Transferability)についての評価が可能であることは,その科学性や妥当性を保証する上で重要であると考えられている。これらの条件を満たすために厚い記述(ThickDescription)をおこなうことは,広く推奨されている。本稿では,研究の比較可能性を高め,トランスファラビリティの評価を可能とするための厚い記述について,交絡(Confounding)との関係からこれを議論し,研究枠組みの提案をおこなう。
著者関連情報
© 2015 外国語教育メディア学会(LET)関西支部メソドロジー研究部会
前の記事 次の記事
feedback
Top