日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P208
会議情報

発表要旨
小松平野のボーリング試料に挟在する広域テフラの発見とその意義
*高橋 未央小岩 直人柴 正敏山本 直人樫田 誠
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
小松平野は,北部に梯川による沖積平野が広く発達し,南部には,「加賀三湖」と呼ばれる新旧の沿岸州や台地で隔てられた海跡湖(木場潟,今江潟,柴山潟)がみられる.木場潟は,月津台地から付加する沿岸州の背後に位置し,今江潟,柴山潟は,小松空港をのせる沿岸州によって日本海と隔てられており,海跡湖と台地・沿岸州が交互となって北東-南西方向に発達している.加賀三湖周辺ではこれまで考古学・歴史学の視点からの詳細な検討が行われ,縄文時代以降の海跡湖周辺の水域と人々が深く関わってきた痕跡が見出されてきたが,縄文海進による周辺の海況やそれに伴った平野の地形の形成過程についての具体的な資料は乏しい.そこで発表者らは,北陸新幹線の伸延に伴って行われた数多くの地質ボーリングコア,および加賀三湖周辺のボーリングコア試料の観察とサンプリングを実施し,小松平野の地形環境の復元を試みた.その中で,ボーリングコア試料に挟在するテフラを数地点において発見し,それらテフラの分析から小松平野における後期更新世以降の地形発達史に関する知見が得られたので報告する.
著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top