抄録
本研究では,現在各ジオパークで使用されている地図の分類と評価を行い,茨城県北ジオパーク(構想)を対象にジオパークやジオツアーに訪れた一般客やインタープリターなどのジオパークに関わる専門家を対象にしたアンケート調査を通して,ジオパーク地図に不可欠なコンテンツや地形等の表現方法を検討し,ジオパーク地図の課題を改善した地図を作成することを検討した.アンケート結果からは,直感的に山地や低地などの地形の凹凸を理解することができる地形表現方法が好まれる傾向があった.地形表現方法に関するアンケート結果からは,陰影表現や細かい段彩表現を用いた地図が地質や地形の成り立ちを理解する上で必要な表現であるということが考察できた.以上の結果を踏まえ,ジオパーク地図に必要である要素は,①地形の凹凸や成り立ちを理解しやすくするための表現方法(陰影図,段彩図など),②地質図や地形区分図などの主題情報とし,茨城県北ジオパークの水戸・千波湖,大宮段丘,棚倉断層の3つのジオサイトを対象に地形表現方法を検討し,地図を試作した.