抄録
2017年7月の九州北部豪雨では,福岡県の朝倉市,東峰村などで,氾濫,斜面崩壊,土石流などによる被害が生じた。この豪雨災害に対し,斜面崩壊,深層風化斜面など山地での調査結果が多く報告された。しかし被災地の中に学校,神社,石碑など災害を免れた場所が少なからずある。今日,自然災害を免れた場所に関する検討は,津波中心にあるが,この豪雨では山地内でその課題が顕在化した。日本学術会議の公開シンポジウムでは,災害の再来期間に対し,気象記録がないという意味も含み異次元の視点の重要性が指摘された.つまり自然災害を免れた場所に関する検討は,その再来周期を越す形成プロセスを免れる地形条件の検討に置き換えられる。そこで本研究では,被害を免れた神社に関し地形条件を見た。