抄録
洪水氾濫等の水害が発生した場合,その災害対応としてポンプ車による排水が実施されるが,ポンプ車の台数は限られており,ポンプ車の適切な配置計画を立案するためには湛水量(浸水体積)の情報が重要となる.湛水量の推定は,空中写真判読等により得た浸水範囲とデジタル標高モデル(DEM)を用いて行うことができるが,使用するDEMの違いが湛水量推定にどの程度影響を及ぼすのかは分かっていない.そこで,各種標高データを用いて湛水量を計算し,それぞれの比較を実施した.その結果,5mDEMを用いた場合と5mDEMを10mDEMに間引いた場合とでは大差ないこと,基盤地図情報10mDEMは利用が難しいこと,5mDSMを用いた場合は今回のケース(名取川流域)では5mDEMの場合の半分程度の値になることが分かった.