抄録
北海道十勝平野において、十勝坊主やアースハンモックに類似した小丘状の地形が広範囲に分布していた。小丘状地形は、上士幌町周辺では、空中写真において直径が20m~数10mで円形~やや楕円形、中心が白灰色で周囲が茶褐色であった。小丘状地形は密集して分布し、直線状や格子状、不規則な斑点状の配列がみられた。また、航空レーザ測量データ(2mDEM)から等高線図を作成した結果0.5~1.0mの高さであった。小丘状地形は人工改変されているが、最近撮影された空中写真においても明瞭に確認された。
小丘状地形は上士幌町周辺だけでなく、平野西部の鹿追町や新得町、南部の芽室町や幕別町の台地上でも分布が認められ、現河床から比高の大きい十勝平野でも最終氷期以前と考えられる高位の段丘上に分布していた。十勝平野では、小丘状の地形として十勝平野南部の古砂丘や然別火山南麓の流れ山が知られているが、いずれも小丘状地形とは分布が異なり、平面形や配列等の特徴から十勝坊主やアースハンモックの地形に類似していた。