抄録
近年、世界各地で大規模な水害が発生し,多くの人命が失われている。将来の地球温暖化により洪水リスクが増加し、 防災面から懸念される予測が出されている。現在の堤防等の治水整備レベルを上回る超過洪水による洪水災害リスクを管理するためには,流域のもつリスクを適切に評価し,被害を最小限にとどめるための応急対策等を検討することが喫緊の課題となっている。
本研究では、 東京都葛飾区を対象地域として、 200 年に 1 回程度起こる大雨により荒川下流域堤防が決壊した場合に想定される浸水が引き起こす人的被害の時空間分布を GIS で明らかにする。 これにより大規模な水害が発生した場合において人的被害を最小限にとどめるために参考となる知見を得ることができる。