日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P125
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発表要旨
北関東内陸域における春季の強風による昇温現象
*山口 隆子鈴木 敦片岡 大地富田 龍
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抄録

北関東内陸域では、北西側に脊梁山脈が位置するため、強い北西風が脊梁山脈を越えるときに昇温現象が発生することが知られている。本研究では、北関東内陸域での春季の強風による昇温現象発生時の特徴を、北関東の代表3地点について、統計的に解析した。その結果、昇温現象発生日数は対象期間全920日中、前橋では30日、宇都宮では11日、熊谷では21日であった。月別の昇温現象発生頻度は、前橋、宇都宮は3月に最頻、熊谷は4月に最頻であった。最頻出の気圧配置型は、3地点とも、気圧の谷であるII型であった。特に、前橋ではII a型、宇都宮、熊谷ではII b型であった。強風による昇温現象発生時の気圧配置は、日本海低気圧や、低気圧が東北北部、北海道、樺太付近にあり、西日本~東日本に移動性高気圧が位置する場合が多く、低気圧からのびる寒冷前線の通過に伴った風向の変化が、フェーン開始のきっかけになることが推察された。

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© 2018 公益社団法人 日本地理学会
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