抄録
自然災害や防災に関わる学習の重要性が高まり、中等地理教育でも充実が図られている。しかし、ハザードマップはすべての教科書で扱われているが、ハザードマップを読んだり、自然災害の背景を考えたりする手がかりとなる地形分類図は中等地理教育でほとんど取り扱われていない。
学習指導要領が示す指導内容では、発表者がかつて小地形学習の導入として地形分類図を使った授業を実践したように自然環境や地域調査などで取り扱うことが可能と考えられるが、教科書での地形分類図掲載数は極めて少ない。地形分類図の活用にあたっては、中等地理教育に携わる教員に、その存在そのものが知られていないこと、内容が難しいことなどの課題がある。