日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P210
会議情報

発表要旨
中央アジア・天山山脈北部地域における氷河起源型岩石氷河の地表面変動
*高玉 秀之奈良間 千之山之口 勤田殿 武雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

近年の著しい気候環境の変化において,半乾燥地域の中央アジアにおいて,水資源である山岳氷河や山岳永久凍土の現状を把握することは重要な課題である.山岳永久凍土の空間分布の把握に関しては,その存在指標である岩石氷河を用いた研究が世界の山岳地域でおこなわれている(Wang et al., 2017).これまで岩石氷河は氷と岩屑の供給源の違いから,氷河起源型と崖錐起源型の二つに大別される(松岡,1998).氷河起源型の内部氷には氷河氷と永久凍土が混在するため,気候環境からみた山岳永久凍土の空間分布を調べる際に,氷河起源型岩石氷河を直接用いるには注意が必要である.調査地域である天山山脈北部地域では,氷河起源型岩石氷河の割合は崖錐起源型よりも大きく,水資源としても大きな体積を占めるが,氷河起源型岩石氷河の成因や発達過程はよくわかっていない.そこで本研究では,天山山脈北部地域において,差分干渉SAR解析,イメージマッチング,現地調査から,氷河起源型岩石氷河の詳細な地表面変動解析をおこなった.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top