日本地理学会発表要旨集
2019年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 228
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発表要旨
2019年山形県沖の地震で鶴岡駅前に発生した液状化現象
*澤 祥
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抄録

2019年6月18日22時22分に山形県沖の日本海(北緯38.6度、東経139.5度、深さ14 km,酒田の南西約50 km付近)を震源とするMj 6.7(Mw 6.4)の地震が発生した.鶴岡駅前にある山形県鶴岡市末広町7番地の駐車場で明瞭な液状化が発生した.液状化発生地点は,大型商業施設を2006年以降に解体更地化した際に,地階部分と基礎部分を地表下約8 mまでを掘り撤去し、そこを砂で埋め戻した場所である.埋戻し部分で行われた小型動的貫入試験によれば,その換算N値はいずれも十数未満で軟弱な状態であった.液状化発生場所は,底部には砂質シルトとその下の中砂が露出し側面を透水性の低い人工の側壁が取り囲む「水槽」の様な状態になっていたと推測される.液状化発生地点は,人工的に埋設された層厚8 m近い粒度の揃った中粒砂からなり地下水位が高かったので,局所的に液状化が発生したと解釈される.

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© 2019 公益社団法人 日本地理学会
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