日本地理学会発表要旨集
2019年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P008
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発表要旨
平成30年7月豪雨による広島県南部における斜面崩壊の詳細分布図の作成と地域的特徴
*竹内 峻後藤 秀昭熊原 康博村田 翔岩佐 佳哉山中 蛍元吉 梨奈子中田 高内山 庄一郎
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抄録
平成30年7月豪雨による広島県南部の斜面崩壊の崩壊域を記し,斜面崩壊の地形を分類した詳細な分布図を作成した。
分布図作成の結果,崩壊域の数は崖崩れ2,559 件,谷頭崩壊3,515件,土石流1,447件の合計7,521件であり,崩壊の地域的な違いが明らかになった。
分布を大局的に見ると,対象地域中央付近を境に西部で数が多く,その規模が大きい一方で,東部で崩壊数が少なく,規模も小さいという特徴が明らかになった。
さらに細かく見ると,西部でも江田島などの島嶼部では高密度で小規模な崩壊が多い一方で,坂町や安芸区矢野,呉市野呂山北東麓では大規模な斜面崩壊が高密度に分布するという地域的な違いが認められた。
崩壊開始点の分布からは読み取れなかった流下・落下の様子が明確に示され,地質による崩壊面積の違いや土石流発生域の侵食,移動,堆積の地形的特徴も把握できるようになると期待される。
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© 2019 公益社団法人 日本地理学会
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