主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2020年度日本地理学会秋季学術大会
開催日: 2020/10/10 - 2020/11/22
日本では,江戸時代の古日記に記録された天候記録をもとに近代気象観測開始(1870年代)以前の気候を復元することが試みられてきた.しかし,従来は19世紀について大気場のデータが得られなかったため,日記天候記録による気候復元結果と循環場との関係については研究例が無い.しかし,従来は19世紀について大気場のデータが得られなかったため,日記天候記録による気候復元結果と循環場との関係については研究例が無い. 最近,20 世紀再解析プロジェクト(NOAA-CIRES Twentieth Century Reanalysis Project)によって,地上気圧観測値のみを気候モデルに同化させた全球の大気再解析プロダクトが1836年以降について公開された(Slivinski et al.,2019). 本研究では, 1836-1868年の冬季(12-2月)を対象として日記天候記録から復元した天気分布と20世紀再解析データの循環場を比較した. 日記天候記録から復元した冬型天気分布出現日(WM-day)について再解析データをもとに地上気圧と500hPa高度場のコンポジット解析を行った結果,WM‐dayにおいて冬型気圧配置の強化と東アジアでのトラフの強化が認められた.再解析に同化されている19世紀の観測値は主に欧米の地上気圧データに限られるが,ユーラシア大陸上の偏西風波動などを通じて日本付近の総観場もある程度再現されていると考えられる.