液状化危険度評価では、扇状地や谷底平野の危険度を勾配1/100を境に2分している。扇状地は勾配の異なる場所で構成物質が異なるため緩勾配(1/100未満) ではそれ以外と比べて液状化発生可能性が高いとされているが、谷底低地についての言及はなく、勾配1/100で細分化する明確な根拠が少ないのが現状である。適切な閾値を設定することは防災的に重要であると考え、演者らは茨城県内の台地を刻む谷底平野を対象に、谷底平野の勾配の違いの空間分布特性、液状化発生地点の勾配、谷底平野の勾配の違いと構成物質の粒度の違い等について調査し、微地形区分を用いた液状化危険度判定における谷底平野傾斜基準の再考に役だつ情報を集めることとした。その途中成果を報告する。その結果、台地を刻む谷底平野に限定すると、勾配1/100以上の谷底平野の分布が1割以下と限定的なこと、液状化が発生した箇所の勾配が1/100よりも明らかに緩いことから、液状化リスク評価を区分する閾値は現行よりもより緩勾配側にした方が良いと判断できる。