主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2020年度日本地理学会春季学術大会
開催日: 2020/03/27 - 2020/03/29
2019年10月の台風19号の通過に伴う豪雨により、宮城県丸森町では死者10名、行方不明者1名の人的被害を含む甚大な被害が発生した(2020年1月7日時点)。このうち、町の南部を流れる阿武隈川水系内川の流域では、上流部で崩壊・土石流が各所で発生するとともに、内川や五福谷川を通じて輸送された土砂が洪水や流木とともに下流部で大きく氾濫した。2017年の九州北部豪雨などに代表される近年の豪雨災害では、洪水だけでなく大量の土砂や流木を含んだ氾濫による被害が顕在化している。本研究ではこれを念頭に、中小河川の洪水ハザード情報の収集に向けて地形学の視点から内川流域における土砂・洪水氾濫現象の地形的特性を明らかにし、中小河川の川づくりに向けて有益な洪水ハザード情報を収集しようとするものである。発表では、災害直後に撮影された空中写真や衛星写真、2万5千分の1地形図を用いた解析と、土木研究所ICHARMが2019年11月、及び12月に実施した現地調査によってこれまでに得られた成果の一部を紹介する。