主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2022年度日本地理学会春季学術大会
開催日: 2022/03/26 - 2022/03/28
日本で気象庁による公式の気象観測が行われるようになったのは、函館、東京など1870年代以降に限られるため、数十年~百年スケールの長期的な気候変動を客観的に論じるには期間が短すぎるという難点があった。欧米では、18世紀~19世紀前半に気象観測が開始されており、15世紀~19世紀の「小氷期」における気候変動に関する研究成果が数多く出版されている。しかし、日本を含む東アジアにおける小氷期以降の気候変動に関しては、その実態や地域差についての解明が進んでいない。本研究では、日記の天候記録と気象観測データ(19世紀前半の非公式観測を含む)をもとに、1701年から現在までの過去320年間における冬季・夏季の気温変動を復元することで、長期的な気候変動の実態を明らかにし、その季節差や地域差を分析・考察した。