日本地理学会発表要旨集
2022年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 441
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駅広告からみた首都圏鉄道駅の中心機能に関する一考察
*青島 光太郎
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抄録

都市構造の解明を目的とした分析アプローチの1つとして,消費者行動に着目する方法がある.都市規模別の調査では,消費者行動を表象するものとして,広告に着目したものが多い.大都市圏は鉄道の発展とともに成長してきた経緯があり,イグレス要素として重要な役割を担っている.したがって,多数の人々に対して日々大量の情報を送る交通広告は,生活動線上にあるという観点からも,都市や地域の構造を捉える上で価値のある研究対象となり得る.しかし,管見の限り,駅に設置された広告を対象にした地理学的な研究は少なく,大阪市を対象とした深堂ら(2009)の報告でも広域的な分析の必要性が示唆されている.

 本研究の目的は,駅広告に表象される各駅周辺住民や駅利用者の生活サイクルと,駅広告に扱われた財やサービスが提供される領域の範囲を分析し,駅を中心に機能する各地域の特性を明らかにすることである.また,本研究の成果を踏まえ,地理学研究における駅広告の意義と可能性を議論する.

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© 2022 公益社団法人 日本地理学会
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