日本地理学会発表要旨集
2023年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P007
会議情報

Pythonを利用した地理総合実習コンテンツの作成
*岩崎 亘典小野原 彩香安達 はるか野村 英樹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

2022年度より高等学校で必修となった地理総合では,地理情報システムの活用が一つの柱であり,教科書では地理院地図やひなたGIS等が紹介されているが。しかしこれらのツールでは,投影法や統計情報活用にあたり,独自データを用いた実習が困難である。また,新型コロナ感染マップや人流マップのように,データサイエンスでの地理学の重要性も高まっている。本発表では,地理総合でのGIS利用促進と地理分野でのデータサイエンス活用のための,Pythonを使用した地理学習コンテンツについて報告する。 実習のための環境は,ブラウザ上でPythonのプログラムの入力,実行が可能なGoogle Colaboratory(以下,Colab)を用いた。学習コンテンツの内容は,地理総合の教科書を参考とし,以下のリストの内容を予定している。

・Pythonを用いた地図作成および投影法

・APIを用いた統計情報の取得と得階級区分図の作成

・気象メッシュとグラフの重ね合わせ地図

・防災のための地形図の3D表示

作成したコンテンツは,CQ出版社が発刊するインターフェイス誌上で連載記事として公表している。2022年3月までに3回目の記事までが公表される予定である。 紙媒体で発行する特性を活かし,コードや作成した地図に解説を加え,理解しやすいように努めた。コードを変更することで図法の違い等を実習できることがPythonの利点である。また,コードで地図を扱うため再現性を高い点が,データサイエンス的視点から有効である。本コンテンツは,学校教育に活用してもらいたい観点から,教員は電子版を無償入手可能である。ご興味のある方は,お問い合わせ頂きたい。

著者関連情報
© 2023 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top