日本補綴歯科学会誌
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原著論文
CAD/CAMクラウンのテーパー,セメントスペースと稠度が適合に与える影響
加藤 裕光笠原 紳木村 幸平奥野 攻
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2009 年 1 巻 2 号 p. 139-147

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抄録
目的:CAD/CAMで製作したクラウンを用い,各種セメントの稠度や支台歯のテーパー,セメントスペースが,冠の適合性に及ぼす影響を調べた.
方法:支台歯のテーパーは,2°,7°,12°を用いた.テーパー12°のセメントスペースは0μmとし,2°と7°では0,60,120μmのセメントスペースとなるよう,CAD/CAMシステムを用いて全部被覆冠を製作した.セメントは稠度の異なる3種類のセメントを用いた.装着後,支台と冠の縦断面を作り,各条件における支台と冠の間隙量を測定した.
結果:テーパーが小さいほど,間隙量は大きくなった.2°では稠度の小さい値のセメントで,マージンにおける間隙量は平均175μmと,他のテーパーに比べ有意に大きかった.12°ではセメントの種類によらずマージンにおける間隙量は平均16μmであり,セメント種類による有意差はなかった.テーパー2°,セメントスペース60μmの場合,リン酸亜鉛セメントでは間隙量は70μmであり,他のセメントと比較して大きい値を示した.セメントスペース120μmでは,すべてのセメントで間隙量は平均7μmであり,間隙量は減少した.
結論:テーパーが小さいほど,稠度の値が低いセメントで装着時に浮き上がりがみられた.テーパーが大きくなると(12°),すべてのセメントで間隙量は小さくなった.セメントスペースを付与すると,マージンの間隙量は減少し,2°ではリン酸亜鉛セメントで浮き上がりがみられたが,7°では,どのセメントを用いてもマージンにおける間隙量は小さい値を示した.
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© 2009 社団法人日本補綴歯科学会
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