日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
口底部扁平上皮癌治療後に顎義歯を応用し舌運動・摂食・発音障害に改善のみられた症例
野本 俊太郎
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キーワード: 咀嚼障害, 嚥下障害, 顎義歯, PAP
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2009 年 1 巻 2 号 p. 199-202

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抄録

症例の概要:初診時63歳の男性.大学病院口腔外科で口底部扁平上皮癌(T4N2cM0)の診断のもと,腫瘍摘出術,両側機能的頸部郭清術および左側前腕皮弁移植術が施術された患者の摂食・嚥下・発音機能回復を目的とし当科に依頼された.診査の後,下顎顎義歯および上顎PAPを装着した.その後,摂食・嚥下・発音訓練指導を行った.
考察:補綴装置の装着後調整と,口腔外科と連携した摂食・嚥下指導および発音訓練指導が必要であると判断した.
結論:口底部扁平上皮癌治療後の患者に対し補綴装置を装着し,咀嚼・嚥下・発音機能の訓練指導を行うことにより,摂食・嚥下障害に対し改善がみられ,良好な経過を得ることができた.

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© 2009 社団法人日本補綴歯科学会
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