2019 年 11 巻 1 号 p. 32-37
近年,部分床義歯による欠損補綴においても審美性への配慮が大切になっており,ノンメタルクラスプデンチャーを目にする機会も増えてきた.日本補綴歯科学会は,ポジションペーパーでノンメタルクラスプデンチャーを製作する際の臨床指針を示しているが,未だに不明な点も多く,装着後の対応に苦慮する場合も少なくない.本稿では,ノンメタルクラスプデンチャーで用いられる材料を整理し,レジンクラスプが歯周組織に与える影響,維持機構や審美性への配慮について,現時点でのエビデンスと見解を整理する.また,基本的な設計例を通して臨床上注意すべき点について述べる.