日本補綴歯科学会誌
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◆企画:東京支部特別セミナー「補綴のプロフェッショナル −顎顔面補綴治療−」
顎顔面補綴治療
-医科と歯科のコラボレーション-
谷口 尚
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2019 年 11 巻 1 号 p. 26-31

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抄録

 ひとびとと会い,食事をし,会話することは人の当然の権利である.しかし,口蓋裂,腫瘍,外傷などが原因で生じた顎顔面補綴患者の咀嚼・嚥下・スピーチ・審美性の障害は,一般補綴患者に比べ重篤である.これは原疾患,欠損形態の多様性に因る.これらの障害は相互に影響しながら後遺し,精神心理的苦痛を惹起する.顎顔面補綴の最終目的は患者を元の生活に戻すことであるが,この実現は困難である.治療効果を最大限に引き出し,長期保持するには,医科,歯科の有機的連携が術前・術中・術後の各段階で必須であり,基本的事項の相互認識の共有と情報交換が必要となる.顎顔面補綴治療での医科と歯科のコラボレーションの現状について述べる.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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