日本補綴歯科学会誌
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◆企画:エビデンス&オピニオン 第4回
コンプリートデンチャーの人工歯配列
― 天然歯列に準じた配列 ―
早川 巖
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2019 年 11 巻 1 号 p. 5-13

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抄録

 義歯は口腔内で用いられるものであるから,義歯の置かれている状況に注目し,周囲組織との調和に注意を払い,機能的な配列位置が設定されなければならない.天然歯が元あった位置に人工歯が配列されれば,頰側および舌側からの筋圧のバランスも継続され,義歯が安定することになる.患者にとっても,天然歯のあった位置に人工歯が配列されれば,その位置に対しての舌や頰の感覚は有歯時とあまり変わらず慣れやすい.本稿では,歯槽頂を基準にした力学的な配列よりも天然歯列に準じた人工歯配列がなぜ機能的に優れているかを解説し,併せてその位置の捜し方について述べた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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