2019 年 11 巻 1 号 p. 76-79
症例の概要:患者は76歳女性,上顎全部床義歯の維持不良,下顎部分床義歯のクラスプに対する審美障害,および硬固物に対する咀嚼困難を主訴に来院した.最終補綴を磁性アタッチメントを用いたオーバーデンチャーとすることで良好な結果を得ることができた.
考察:下顎部分床義歯のクラスプに対する審美障害のある症例において磁性アタッチメントを用いたオーバーデンチャーの適用は審美性の改善に加え義歯の維持安定ならびに患者のQOLの改善に有効であると考えられる.
結論:下顎前歯部のみが残存する症例において,オーバーデンチャーを適用することは有効である.