2019 年 11 巻 3 号 p. 271-274
症例の概要:68歳男性.残存歯の慢性歯周炎の悪化に伴い,義歯の不適合に起因する咀嚼困難を訴え受診した.残存歯による咬合支持の喪失によりすれ違い咬合を呈しており,下顎左側ブリッジに動揺が確認され,上顎右側下顎左側顎堤に吸収を認めた.前処置を行い,部分床義歯を用いて機能回復を行った.
考察:剛性の高い金属床義歯を装着したことにより,力学的安定性が向上し,機能時の義歯の回転力に拮抗することが可能となり,咀嚼機能の向上につながったと考えられる.
結論:フレームワークを用いた部分床義歯は,すれ違い咬合症例に対して有効であった.