症例の概要:患者は63歳の女性.臼歯部欠損による咀嚼障害および上顎前歯部前突による審美障害を主訴に来院.広汎型慢性歯周炎,上顎両側臼歯部欠損およびフレアアウトを伴う咬合低位に対して,臼歯部インプラント補綴により咬合挙上し,これをアンカーに上顎前歯部を引き込み,ブリッジ治療により主訴を改善した.
考察:装着後,12年経過した時点で補綴装置に問題は認めず,患者は満足していることから,良好な経過を得ていると考えられる.
結論:フレアアウトを伴い咬合高径が低下した臼歯部欠損症例に対し,インプラント補綴で咬合拳上することで,矯正および補綴歯科治療を容易にし,咀嚼・審美機能の回復と共に患者の高い満足が得られた.