2020 年 12 巻 2 号 p. 200-203
症例の概要:79歳女性.患者は歯の欠損による審美不良および咀嚼困難を主訴に来科した.初診時,咬合支持はすべて失われており,それに伴う咬合高径の低下が認められた.そこで治療用義歯を用いて咬合挙上を行った後,歯冠補綴装置および部分床義歯による補綴処置を行った.
考察:本症例では,治療用義歯とプロビジョナルレストレーションを用いて適切な顎位を獲得した後、フェイスボウレコードおよびチェックバイトを採得し,咬合器にて得られた形態を最終補綴装置に再現し適切な咀嚼機能を得た.
結論:咬合支持喪失および咬合高径の低下に対し歯冠補綴処置および部分床義歯の装着により適切な咬合高径を付与したことで,良好な結果を得た.