2021 年 13 巻 1 号 p. 90-93
症例の概要:61歳女性,上顎右側歯原性粘液腫摘出術後に口腔と鼻腔の交通および臼歯部の咬合支持欠如を認め,治療用顎義歯を装着し,咀嚼・嚥下・構音機能回復を図った後,最終補綴装置としてインプラント支持顎義歯を装着した.
考察:早期の治療用顎義歯装着により口腔機能が回復し,歯科治療に対するモチベーションの向上が図られた.上顎はインプラント支持顎義歯による,下顎は矯正治療後にブリッジによる補綴処置を行ったことにより,咀嚼能率の向上と口腔関連QOL の改善が達成できた.
結論:上顎欠損症例では,最終補綴に先立ち,治療用顎義歯により口腔機能の回復を図ることが重要であり,また,インプラント支持顎義歯は有効な手段である.