日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第129 回学術大会/メインシンポジウム日本学術会議主催(後援日本生命科学アカデミー)「食力向上による健康寿命の延伸:補綴歯科の意義」
口腔機能を「測る」
馬場 一美三田 稔楠本 友里子
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2021 年 13 巻 2 号 p. 109-116

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抄録

 補綴歯科治療の目的は「食べる」という生命の根本的な機能,つまり咀嚼機能の回復を通して国民の健康増進,生活の質の向上を図ることである.近年,その波及効果としてフレイルや認知症,介護予防といった役割も注目されている.事実,認知症のリスク因子としての歯の喪失や義歯使用の有無と認知症発症との関連性についてのエビデンスが蓄積されつつあるが,未だ一定の結論は得られていない.その一つの理由として,日常臨床で標準的に利用される咀嚼機能評価指標がないことが挙げられる.本稿では,咀嚼機能と認知症との関連についてのエビデンスを整理し,機能を「測る」指標の必要性について考察する.

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