2022 年 14 巻 4 号 p. 423-426
症例の概要:患者は67歳の女性.咬耗による審美不良および咀嚼困難を主訴に来院した.診査の結果,咬耗症による咀嚼障害および審美障害と診断した.
考察:咬耗および下顎金属製可撤性補綴装置の不適合による咬合の異常を認めた.上下顎右側犬歯と第一小臼歯のみの接触にもかかわらず,再現性のある中心咬合位を維持する下顎位を利用し,最終補綴装置を装着した.顎間関係に大きな変化を与えず,最終補綴装置装着にまで至ったことで,咬合の安定が図られ良好な長期経過が得られたと考える.
結論:咬耗・咬合の異常に対して顎間関係に大きな変化を与えず,可撤性補綴装置から固定性補綴装置へ処置を行ったことで,咀嚼障害および審美障害が改善された.