2022 年 14 巻 4 号 p. 419-422
症例の概要:患者は55歳の女性.下顎歯肉癌にて右側舌半側と下顎骨右側辺縁,下顎右側側切歯から第二大臼歯の6歯,頰粘膜を切除し,前腕皮弁にて再建された.咀嚼障害,審美障害のため,顎義歯を製作し機能回復を図った.
考察:ピエゾグラフィの応用により人工歯の排列位置だけでなく,顎欠損部,瘢痕収縮に伴う頰粘膜部の周囲組織に調和した義歯床形態を付与できた.またFGPテクニックを用いたことにより,良好な咬合接触関係を確立できたと考える.
結論:ピエゾグラフィやFGPテクニックを使用し,顎義歯を製作したことで,顎欠損,皮弁再建症例に対して良好な予後が得られた.