2023 年 15 巻 1 号 p. 43-49
少数歯欠損に対する補綴歯科治療として固定性部分床義歯(fixed partial denture:以下ブリッジ)は長年多く用いられ,とくに支台歯が生活歯のブリッジは長期的に安定した予後が報告されている.一方,支台歯を多く削合する従来型のブリッジは,昨今のMID(minimal intervention dentistry)の考えから,疑問視されつつある.インプラントおよび接着ブリッジがMIDの観点から推奨され,支台歯数の少ないカンチレバーブリッジも状況に応じて選択されることもある.本稿ではカンチレバーブリッジにおいて考慮するべき要点を文献や模型上の考察をもとに整理した.