日本補綴歯科学会誌
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◆企画:令和4年度第5回補綴歯科専門医研修会「機能的に最適な臼歯部の咬合接触を考える」
機能的に最適な臼歯部の歯冠修復方法を考える
田中 順子
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2023 年 15 巻 4 号 p. 451-457

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抄録

 臼歯部の歯冠修復を行う場合,重要なことは「機能的に最適」な咬合面形態を付与することである.技工室で作業用模型から正確に製作されたクラウンでも,患者の口腔内で咬頭嵌合位を正しく再現することはできない.そこで,クラウンの咬合面に咬頭嵌合位を具現化する臨床テクニックとして,咬合印象法による歯冠補綴法がある.咬合印象法は支台歯と対合歯の印象ならびに咬合採得を同時に行え,一塊で咬合器装着が行えるため正確な咬合面形態の装置が製作できる.また,咬頭嵌合位を正確に再現し,かつ偏心運動時の情報も咬合面製作時に反映させる方法としてFGPテクニックがある.本稿では,咬合印象とFGPテクニックの術式や技工操作に関して,デジタル機器とも合わせて対応できることを紹介する.

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