2023 年 15 巻 4 号 p. 445-450
超高齢社会において歯科訪問診療の重要性が高まっている.訪問診療が必要な高齢者や障害者は一般の歯科診療に加え摂食嚥下リハビリテーションを必要とする者が多い.摂食嚥下リハビリテーションを進めるにあたっては診断とリハビリテーションの立案が大切であるが,歯科医師として歯科補綴処置を応用した代償的アプローチに精通することが大切である.口腔内に装置を入れることは歯科医師にとっての業務独占であり,チーム医療においても他の職種からの要望も強い.本稿では臨床的に効果のあるPAP(舌口蓋接触床)やPLP
(軟口蓋挙上床)の適応や作成方法を説明していく.