2023 年 15 巻 4 号 p. 491-494
症例の概要:患者は71歳の男性.下顎前歯の動揺と咬合痛を主訴として来院した.上顎には全部床義歯,76|456 にはインプラント支持固定性補綴装置を装着されていたが咬合平面の不正を認めた.32|123 は保存困難のため抜歯し,上顎には全部床義歯を,下顎にはロケーターアタッチメントを用いたインプラントオーバーデンチャー(以下IOD)を装着した.
考察:上下顎補綴装置の再製作により咬合平面を修正し,下顎にはロケーターアバットメントを用いたIODを装着することで機能性と清掃性に配慮した補綴歯科治療を行うことができた.
結論:咬合平面の不正を認める患者に対して,可撤性補綴装置による補綴歯科治療を行うことで良好な経過が得られた.