2023 年 15 巻 4 号 p. 495-498
症例の概要:73歳男性.下の奥歯がなくなり部分床義歯を作ったが,疼痛により使用できずかめないことを主訴に来院した.また,残った歯が欠けてとがっているため,見た目も気になっていた.咬耗による咬合高径の低下が認められたため,咬合再構成後,固定性と可撤性の補綴装置を装着した.
考察:治療用義歯とオクルーザルスプリントを用いて垂直的・水平的顎間関係を決定した.プロビジョナルレストレーションを用いて機能および審美を確認したことで,高い口腔関連QOLが得られた.
結論:咬合高径の低下に対して,オクルーザルスプリントおよび治療用義歯を用いて咬合高径の決定を適切に行うことで,患者の高い満足度が得られた.