2024 年 16 巻 2 号 p. 275-278
症例の概要:患者は55歳の女性.前歯ブリッジの脱離による審美不良および咀嚼困難を主訴に来院した.内因性の酸蝕症による上顎前歯部舌側歯質の欠損および咬合高径の低下を認め,オールセラミッククラウンおよびブリッジを用いて全顎的な咬合再構成を行った.
考察:上顎前歯欠損部のデンチャースペースの不足に対し,診断用ワックスアップを参考にプロビジョナルレストレーションを作製し,最終補綴の設計を決定した.
結論:内因性の酸蝕症およびブラキシズムを伴う欠損歯列に対し,オールセラミッククラウンおよびブリッジを用いた全顎的な補綴歯科治療を行い,審美性および咬合機能の回復を行い,良好な経過と患者の高い満足を得た.