2025 年 17 巻 1 号 p. 50-53
症例の概要:患者は,68歳女性で,上顎顎義歯の維持不良による咀嚼困難を訴えていた.上顎は無歯顎であり,栓塞部の適合は不良で,後縁は軟口蓋を覆っていた.下顎残存歯の鉤歯には齲蝕を認めた.触診,発音よりアーラインの確認を行い,床縁を決定し,栓塞部で残遺孔を封鎖した上顎顎義歯を製作した.下顎に対しては暫間義歯を製作し,残存歯の治療後に最終義歯を製作した.
考察:上顎顎義歯の適切な床縁の設定や,残遺孔の封鎖に配慮したことにより,咀嚼機能に対して,良好な結果が得られたと考えられる.
結論:適切な床外形および適合の良い栓塞部を付与した顎義歯を製作することにより,良好な経過が得られた.