2025 年 17 巻 2 号 p. 59-68
間接修復における歯肉縁下フィニッシュラインは,審美修復および機能的安定のため重要な役割を果たす.本論文では,歯肉縁下フィニッシュラインにおける適応症,設定法を通じた問題点と解決策を検討する.特に,歯肉縁下のConvexカントゥアが歯周組織に与える影響と,骨縁上組織付着に基づくフィニッシュライン設定の限界について文献的考察を行った.また,深いフィニッシュライン設定が必要な場合の適応症を提示し,具体的な技術的指針を示した.本論文は,審美性と歯周組織の健康を両立させる治療計画の立案に寄与する.