日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第133回学術大会/シンポジウム5 「咀嚼・咬合によるメカノバイオロジー:咀嚼・咬合力は体にどんな変化をもたらすか?」
荷重がインプラント周囲の骨質に与える影響を科学する
黒嶋 伸一郎中野 貴由澤瀬 隆
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2025 年 17 巻 2 号 p. 69-76

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抄録

 本依頼論文は,研究から得られた科学的情報に基づいて,骨質の概念と力に対する骨組織の応答性を正しく理解することであり,著者らが行ってきた骨質に関する一連の基礎的研究と非臨床試験について検討した.その結果,動物種(部位特異性はある)によらず,インプラントに荷重を付与すると,オッセオインテグレーション,骨量,骨密度,骨質が大きく変化した.また,骨質を変化(向上)させるデンタルインプラントの存在が確認できた.したがって,骨質は骨密度とは独立した概念で,同義でもなく類似もしておらず,荷重環境下ではインプラントデザインによりインプラント周囲の骨質が大きく変化することがわかった.

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