2026 年 18 巻 1 号 p. 41-44
症例の概要:52歳の女性.上顎左側第一小臼歯の歯冠破折による咀嚼困難と審美不良を主訴に来院した.近遠心の残存歯質は歯肉縁下であったが生活反応を認めた.矯正的挺出と歯冠長延長術を行い,フェルールを獲得した後の有髄歯に歯冠補綴治療を行った.
考察:最終補綴装置の製作に至るまで,歯髄電気診で生活反応を確認し,歯髄の温存が可能かどうかを判定した.また,側方運動時の咬合様式を犬歯を含むグループファンクションに変更した.これらにより,更なる破折のリスクを低減できたと考える.
結論:歯冠破折歯に対して歯髄を温存した状態で補綴前処置を行い,側方運動時の咬合様式を変更し,歯冠補綴治療を行った結果,良好な経過を得ることができた.