日本補綴歯科学会誌
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原著論文
硬質熱可塑性レジンの圧接に関する研究 第1報
―シート表面の適正温度について―
町 博之前田 芳信
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2010 年 2 巻 4 号 p. 252-259

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抄録

目的:吸引型成形器による硬質熱可塑性レジン(PET 製シート材)の圧接において,適正な軟化温度を検討することを目的とした.
方法:義歯床用金型から得られた石膏模型に,120~160℃(10℃間隔)で硬質熱可塑性レジンを軟化圧接したときの適合状態を比較した.まず硬質熱可塑性レジンを示差走査熱量計で熱分析しガラス転移温度を調べた.この結果を参考にして静的荷重試験を行い軟化温度範囲を得た.また適合状態の算出は,フラットヘッドスキャナで模型を読み込み,コンピュータにより画像を重ね合わせたときの間隙を測定し,その平均値を比較検討した.
結果:軟化温度が高くなるに従って外側部では中央部,辺縁部ともに間隙は減少し,内側部の中央部では増加,辺縁部では差が認められなかった.また,辺縁部と中央部の比較では,外側部では差がなかったが,内側で辺縁部の間隙は大きかった.
結論:硬質熱可塑性レジンの圧接時の適正温度が130~150℃であると結論づけたが,軟化圧接温度以外にもシートの延伸挙動が適合に大きく関与している.

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© 2010 社団法人日本補綴歯科学会
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