2011 年 3 巻 1 号 p. 26-31
目的:漂白剤としての二酸化チタンを塗布したエナメル質に対して青紫色半導体レーザー照射を行ったときの色素分解能について検討を行った.
方法:光源として青紫色半導体レーザー(日亜化学),ライトサージ(オサダ)およびオペレーザー(ヨシダ製作所)の3種類を光源として使用し,ヒトの抜去歯エナメル質表面に二酸化チタン塗布後にレーザー照射を行った.色調変化の測定にはL*a*b*表色系を用いた,処置前後のエナメル質の算術平均粗さを測定し,表面性状の変化を評価した.
結果:色調の変化を示すΔE の値は青紫色半導体レーザーを使用した場合,他の光源と比較し有意に大きくなった.すべてのグループでレーザー照射前後でのエナメル質の算術平均粗さに有意な差は生じなかった.
結論:実験結果より二酸化チタンに青紫色半導体レーザー照射を組み合わせることによって漂白効果が促進されることが示唆された.