抄録
症例の概要:患者は初診時48歳の男性.閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の特徴であるいびき,日中の強い眠気および夜間の目覚めを主訴に来院した.OSASに有効である2種の口腔内装置(OA)で対応できなかったため,前方整位型スプリント(ARS)を使用した.さらに,OSASの血小板活性化への影響を血小板凝集能検査(PAT)にて検討した.
考察:ARS使用により下顎前方位となり,気道が確保されたため,無呼吸低呼吸指数も減少したものと思われる.
結論:OSASにARSを用いたところ,OAと同様な成果が得られた.PATは陰性であったが,内科との連系を取りながら,予後の観察を行うことが必要と思われる.