抄録
症例の概要:患者は63歳の男性.上顎前歯部の歯列不正による咀嚼障害を主訴に来院した.上顎前突と過蓋咬合が認められ,下顎前歯は上顎の口蓋部歯肉に咬みこんでいた.矯正歯科治療は希望せず,補綴歯科治療により主訴の改善を行うこととなった.プロビジョナルレストレーションによる機能性,審美性の最終確認を行い,硬質レジン前装の固定性ブリッジを装着した
.考察:可撤式スプリントとプロビジョナルレストレーションを装着し,機能的に問題のない適正な顎位を模索した結果,主訴の改善がなされたと考えられた.
結論:補綴的アプローチを用いて上顎前突と過蓋咬合の改善を行うことで高い満足度を得ることができた.